ハイアー・ザン・ザ・サン

 いや、言い過ぎですかね。言い過ぎですよね。太陽よりも高くなんて、でもそれくらい高いっしょ。何が高いって? そりゃ、あなた。さかなクンですよ。さかなクンの何が高いって、全てですよ。主にテンションと声。でもね、ほんとにね、あいつ魚の知識も高いからね。惑わされちゃいけないよ。あの、テンションと声の高さに。そう。新しい年一発目の記事を、さかなクンで攻めてみようなんて、ある意味DJ OZMAよりもアグレッシブな試み。いや、それも言い過ぎか。OZMAよりやり過ぎるなんて、よっぽどのことか。紅白でかなりやんちゃしちゃったけど、強く生きろよDJ OZMA! ってことで、話題を戻しますよ。
 SMAP×SMAP特別編と称してやっていた番組、「いまいじめている君へ」にさかなクンが出てまして。まあ、その番組はもちろん、タイトル通り、いじめを扱った内容だったわけです。真面目にね。草磲剛ヤンキー先生をメインに据えてね。ヤンキー先生って、義家弘介先生ね。でもさ、もうヤンキー先生で知れ渡ってるとは言え、どうなのヤンキーヤンキーって。もうあの人、教育再生会議とかに出てるんだぜ。そろそろ、本名の方をクローズアップさせた方がいいんじゃねえの? とか思ったりしますが。まあ、全国的にヤンキー先生で知れ渡ってるから、そっち使った呼称の方が楽なのは分かるんですけど。
 で、まあ、いじめに関する色々なエピソードとかアンケートとか、出演者の話とか交えつつ、番組は進んでいったわけですが、出演者の中にさかなクンがいたわけで。着ていた服はちと思い出せないのですが、まあ頭にはいつも通りハコフグ乗っけてですよ。もちろん、そういう場に出たからと言って、声が突然テノールになるわけもなく、伝家の宝刀ソプラノボイス(実際はカウンターテナーとか言うのかもしれんけど、そんな細かいことは知らん)で語ったわけですよ。いじめに関するエピソードを。
 ただし、魚の。
 いや、そりゃね。「どうなの、それ」とか思う人もいるかもしれませんよ。分かりますよ、そう思うのも。でも、よくよく考えたら「お前帰れよ」とか言いたくなるようなエピソードじゃないんですよ。そこに「へぇ〜」ボタンがあったら、ばちばち押しちゃいたくなるような話で。海で泳ぐメジナの群れを、水槽の中で再現しようと、たくさんのメジナを入れると、必ずその群れの中に〝いじめられっ子〟が出てくるって話で(確か、記憶の限りだと)。その〝いじめられっ子〟を別の水槽に移しても、また群れの中から新しい〝いじめられっ子〟が出てくるらしいのです。そりゃね、ウィキペディアにも〝スタジオを笑わせた〟って表現で書かれてますけれども、でも笑うところなのかな、それ。とか思って。要するに、水槽と教室ってなんか共通点があるんですかね、ってところを出発点に、また議論を広げられるところなんじゃねえの、とか思いまして。まあ、テレビ番組とか、収録時間とかありますから、そうそうやりたいようにやれないのは分かりますけれども。進行とかあるの分かりますけれども。でも、僕はさかなクンが友達にいたら、面白いんだろーなー、とかすごい関心しましたよ。ええ。さかなクンの言うことに、「それは魚の世界のことじゃん!」って言うのは簡単ですけどね。でも、そうやって各世界の出来事を細切れにするよりも、繋げて考えて、共通点探して、どうしてなんだろうね、不思議だね、と話を広げる方が、きっと楽しいんだろうな、と思った月曜日。
 まあ、あと何が安心したって、さかなクンハコフグかぶって来たことに、義家先生がぶちギレなかったことですね。そこは、何を褒めればいいのか分かりませんけれども、とりあえず義家先生の懐の深さに一票。
 そんなこんなで、今年もよろしくお願いいたします。

ピンと来た。

 僕ね。これまで全然、洋楽の、特にパンクとかロック系のバンドには興味なかったのです。なかったというか、聞いても全然ピンと来ないというか。うん。なんて言うか、「だって、歌詞、英語だから意味わかんないじゃん」なんて身も蓋もないことを言ってたんです。ええ、いやまあしょうがないっしょ。なんかこう、胸にがつんと来ないものは来ないんですもの。それを無理やり、興味持たせようと、延々聞かせてごらんなさいよ。むしろ嫌いになっちゃうよ。そんな押しつけ、いやん、いやん。
 でもさ、そういうのって、「洋楽なんて嫌いや!」とか言うよりも、自分の守備範囲の狭さを示しているようで、少々悲しかったんですよ。ああ、僕って洋楽駄目なんだ。みたいな。洋楽に関して不感症なんだ。みたいな。
 とは言え、無理して聞こうとすると、前述したように、逆に嫌いになっちゃうかもしれないからってことで、放置していたのです。洋楽パンク・ロック(? なんかよく分かんないけど、その辺のジャンル)に関しては。
 そんなある日のこと。僕は、ほぼ毎週欠かさず、「SHOWBIZ COUNTDOW」(ショービズ・カウントダウン)って番組を見てまして。その番組は、あちらさん(主にアメリカ)の映画とか音楽シーンをクローズアップする内容のものだったんです。んで、その中で、最新の音楽シーンに関してやってたんですね。その中で、「ネットで火がついて うんぬんかんぬん」って言うコメントと共にかかった曲が、<アークティック・モンキーズ>の「WHEN THE SUN GOES DOWN」。
 一発でやられました。
 それまではせいぜい、「あー、なかなかいい曲だなあ」って程度(他のアーティストの曲ね)だったんですが、アークティック・モンキーズに関しては、全然別物でした。なんかもう、ほんと僕のハート鷲摑みですよ。もう、今の若者言葉全開ばりばりのナウい言い方をするとね。それまで、<ブラック・アイド・ピーズ>とか<ファーギー>のCDに関しては(ヒップ・ホップ系? は、普通にイケる。エミネムのCDはほとんど持ってる)、「いいんだけどな〜。買おうかな、どうしようかな」ってくらいだったんですが、アークティック・モンキーズのそのCDに関しては、「あ、買おう」って即決でしたね。むしろ、俺は今まで、このCDを買うために我慢してたんだ、って勢い。
 それでですね。まだ、怖いところがあって。これは邦楽、洋楽なんでも共通の問題でしょうが、一曲に惚れてアルバムを買うと、「他は意外とそうでもねえな」現象が起きたりするわけですよ。これはもう、アルバムに収録されてる曲の大半を、どこかで視聴するしかないんですが、まあ、洋楽に詳しくないし、田舎のレコード・ショップに行ったところで、まず大体からして、アークティック・モンキーズのCDが置いてあるかも分からない状態だったんで、アマゾンに注文させてもらいました。
 全然でしたね。全く、無問題でした。アルバムに入ってる曲全部、素敵。何度でも聞けます、アレ。もう、僕の家でヘビーローテ間違いなしです。
 どうなんですかね。僕、音楽に詳しくないですけど、アークティック・モンキーズってどんな感じの曲? って聞かれたら、<ブランキー・ジェット・シティ>みたいな感じかなって答えるかな。ブランキーは好きです、僕。
 とにかく、ツボ。僕の感動のアンテナが、洋楽ロックに対してインポテンツじゃないってことを証明しただけでも、アークティック・モンキーズの存在は大きいです。
 ううん。ほんと、「あ、このバンドのライブ(ギグ?)なら行ってみたい」って普通に思ったもんなー。よかった、よかった。
 From 1984

GONZOのゴンゾ野郎

 宮部みゆきの「ブレイブストーリー」をアニメ映画として映像化したことで、名前を知っている方も多いんじゃないでしょうか。「GONZO」は、その映画を作ったアニメを作る所。いや、〝GONZO〟がイタリア語で「馬鹿」を意味するって知った勢いで、タイトルをつけたまでで、「GONZO」大嫌い! っていうこととか、そういうことじゃないからね、絶対。むしろリスペクト。愛情の裏返し。
 でもね、でもでも。そのGONZOで今回、大事件が起きたわけで。僕は、以前から、沖方丁という作家さんの、「マルドゥック・スクランブル」というSF小説が大好きで。まあ、読んだの今年なんですけど。ものっそい前に雑誌「ダ・ヴィンチ」で紹介されていたのが、ずーっと頭の片隅に引っかかってて、読もうかな読まないかなどうしよかな……なんて迷ってたのを吹っ切って、読んだのが最近で。でも、読んでみたら、なんで今まで「マルドゥック・スクランブル」読まなかったんだ、俺のゴンゾ野郎! って叫びたくなるほど、素敵な作品で。
 そう言ってたら、その年(今年)に「マルドゥック・スクランブル」の続編が出版されるなんて話が出たりして。まあ、それはまだ読んでないんですけど。それが「マルドゥック・ヴェロシティ」ね。まあ、それはまだ読んでないんですけど。まだできたてほやほやなので、図書館に入ってないだろうな〜なんて思ってるところ。たとえ入ってても、入れ食い状態であろうな、と。
 さて。近年、なんだか僕が目をつけるのは、何か動きが起きているタイミングらしく。さらに「マルドゥック・スクランブル」が映像化されるというじゃない。しかも、あの「ブレイブストーリー」を作ったGONZOに。しかも、キャラクターデザインが村田蓮爾(字、合ってるか?)じゃない。まあ、せいぜい僕の広く浅い守備範囲では、エロ雑誌「快楽天」を通じてしか、接したことしかないですけど。でも、エロ漫画雑誌にイラストを寄せつつ、他方ではすごい普通にカッコイイ家具とかをデザインしちゃってる。なんかそういうのって、僕のツボなわけで。絵も素敵だし。マルドゥック・スクランブルの映像化ホームページの方でPVとか見ながら、わくわくわくわくしてたわけですよ。
 それがさ。何が起きたんですか。製作中止て。ちょっと。どういうことなんですか。あのね、まあ、ハリウッドがドラゴンボールを製作中だとか、なんかそんな感じで、話しか出てこなくて、一向に映像が出て来ないなんてのは、よくある話じゃないですか。「そう言えば、あれ、どうなったんだろうね?」「さあ、頓挫したんじゃない?」みたいな。そういうのはよくあるじゃないですか。
 でもね、マルドゥック・スクランブルに関しては、もうかなり出来上がってたんだよ。PVとかできてたんだよ。それがどこをどうすればゼロに戻ってしまうのか、って話ですよ、ほんと。沖方丁さんは、自分のホームページで「つくづく〝業界初〟に恵まれた作品」なんて、あっけらかんと言ってるけれど、どういうこと? 円満に製作中止なのか? みたいな。まあ、さすがに大人だから、何かあっても、ぐぐっと我慢するとか、そういうことはあるのかもしれませんけど。
 でも、ほんとこれって前代未聞らしいです。そんな事件を目の当たりにした僕は、果たして幸運なのか不運なのか。映像化の話はこれからも進めていくらしいけれど、沖方丁が1からの再スタートって言ってるのは事実。ほんと、なんなんだろ。
 GONZOでは、最近「RED GARDEN」ってアニメをやってて。すごいお洒落なオープニングとエンディング、あと味のある中身で期待してたのに。ほんと、「諸般の事情で製作中止」って言うけどさ。まさか、ずっと「諸般の事情」で通すわけじゃあねえだろうな? なんて少々喧嘩腰になってしまうのは、僕だけではないはず。どこかで詳しく説明されるといいね。
 で、ほんとにね。「諸般の事情」の中身次第では、本気で「GONZOの、このゴンゾ野郎!」って叫ぶことになるんで、そうはならないように祈ってます。
 あと、マルドゥック・スクランブルが再び、映像化にたどり着くように。

シェイクしたマティーニ? いや、梅酒ロックで。

 007ことジェームズ・ボンドっつったらこれですよね。シェイクしたマティーニ。いや、シェイクしたマティーニマティーニマタニティ言いますけどね、僕も007嫌いじゃないですからね。どちらかと言うと好きな部類ですからね。知ったかぶりしますけど、でも本音を言ったら、シェイクしたマティーニってどんなん? って話ですよ。まあ、マティーニが基本シェイクしないってとこまではいいですわ。でも、シェイクしたらどうなんの? ってことですよ。味がまろやかになるの? あれか。毒が入ってても、シェイクすればマティーニ内で分散されて……ってんなわけあるかい。ねえ、どうなるの? って本気の疑問。本気と書いて、マジの疑問。
 まあ、僕くらいになるとシェイクしたマティーニなど頼みませんよ。ダンディな仕草と声で「梅酒ロック」ですよ。ある程度、行きつけの店なら「ウメロック」ですよ。「あと、マドラーをつけてね」ってね。さも意味ありげにね。大した意味ないんだけどね。氷が溶けたら混ぜるのに。あと、暇潰しに。手持ち無沙汰なときに、マドラーでぐるぐるぐるぐる、梅酒をぐぐってるわけですよ。違うか。〝ぐぐる〟は違うか。違う意味になっちゃうか。まあ、そんなことはどうでもいいですかそうですか。
 12月2日に、007シリーズ最新作「007カジノロワイアル」が始まりました。で、さる12月5日に、早速僕は映画館に行ってきたのですね。ダニエル・クレイグ演じる新ジェームズ・ボンドを見に。
 結論から言いますと、かなりの僕のツボでしたね。どツボ。今までの007シリーズはね、嫌いではなかったんです。嫌いではなかったんですけれども、好きでもなかった。なんだか、惰性で付き合ってる感じ。こいつのこと、まあ好きじゃないけど、かと言って他にいい人もいないから付き合ってるみたいな。そんな、夜の営みもザッツ・ルーティンワーク化したカップルみたいなそんな気だるい感じで見てたんですけれども、今回の007はやばいですね。どれくらいやばいかって言うと、ぞっこんLOVEですね。もっと言うと、ちょこっとLOVEですね。いや、表現のグレードが下がっている上に、古いですけど。ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド最高です。ピアース・ブロスナンがなんぼのもんじゃいってね。
 なんか、新ボンドがダニエル・クレイグに決まったとき、周囲からブーイングがあったとか耳にしましたけどね。そりゃね。今までのボンドが好きな方たちからしたら、ダニエルっちはないでしょうね。っつか、ピアース・ブロスナンがぴったり過ぎるほどぴったりだったからね。少なくとも僕はそう思います。ミスター・ジェームズ・ボンドみたいな。まあ、僕の世代がピアース・ブロスナンだからなのかもしれないけど。ショーン・コネリー時代の人はショーンが一番良かったって言うのかもしれないですけど。でも、今の僕は声を大にして言いたい。ダニエル・クレイグが一番やて。
 もちろん、作品に恵まれたってこともあるのかもしれないですけど。007は今回から、新しい試みをしていて、かなり固ゆでな作りにしていました。まさしくハードボイルド。今までのボンドが好きだった人には、受け入れられないかもしれませんけど。でも、固ゆでな作りが、僕にはツボなのです。他でも言われてることですが、最近のスパイダーマンバットマンのシリーズと似たような感じです。もちろん、そのキャラクター(スパイダーマンならスパイダーマン)を描くのはもちろんなんですが、スパイダーマンのプライベートも、細かく描く、みたいな。超人的だったりするヒーローですが、きちっと一人の人間としても描くという感じ。その手法を、「カジノロワイアル」にも用いてた感じです。
 とは言え、オープニングは今までの流れを汲んだ作りでした。レトロかつお洒落みたいな? まあ、僕の偏見かもしれないですけど。007のオープニングに関しては、今まで通りでよかったんじゃないでしょうか(※伊藤魂はあたかも007シリーズを全て見たかのように言っていますが、実を言うと全作品のうち、二本見ていません。諸事情で。しかも最近のボンド。トゥモロー・ネバー・ダイとゴールデン・アイ。あれはご縁がなかったとしか言いようがない感じ。見てないのはビデオ屋のせい。僕んちの近くのビデオ屋のせい)。
 これまでのボンドの中では、かなり見た人の印象に残るボンドになるんじゃないかと。人物像がしっかりしているので。あと、僕が見た中では一番傷だらけでした。ダニエル・クレイグボンドは。略してダニボンは。うーん、体壊さないでね。
 ま、心配ないですかね。あの人、体つきおかしいもの。筋肉つけ過ぎだもの。オファー来たら、すぐにでもK−1出れますよ、あれ。腹筋のつき方が特におかしい。見る人は、そこにも注目。ダニエル・クレイグみたいな体つきした人、映画俳優の中では見たことないかな。っつか、格闘家でもないんですけど。なんだあれ? 浜辺で、「あ、あんなところに肌色のタイヤが山積みになってるよ! 夏の新色だね!」って言う声が聞こえてきたら、それダニエル・クレイグだから。体つき、タイヤの山積みだから。そんな台詞言う人いないって? ああそうですか。そう来ますか。切ないね、冬。
 ボンドガールって、やっぱ胸大きくなきゃいけないんだろうなーって、ふと思った。難しいね。ジェームズ・ボンドになるのに、おてぃんてぃん大きくなきゃいけない決まりはないでしょうけど。ボンドガールは、基本露出度の高い服着ますからね。胸元の大きく開いた服着ますからね。胸のサイズで、ボンドガールになれなかった人とかいるのかな。そう考えると、まだまだ巨乳の天下は続くのでしょうな。少なくともハリウッド(?)では。007シリーズがハリウッド製なのかは知らんけど。ボイーン。

サンアンドレアスが来るんどぎゃーす

 分かる人はタイトル見ただけで分かるでしょう。サン・アンドレアスですよ、サン・アンドレアス。あの、巷で何かと話題のグランド・セフト・オートGTA)シリーズの最新作の、憎いあんちくしょうめが、ようやく発売が決定したらしいです。2007年1月25日だってさ。この日をどれだけ待ち焦がれたことか。もー、馬鹿。サン・アンドレアスの馬鹿ン。
 北米版の発売が2004年ですか。で、ほんとは日本で2005年秋に発売する予定だったのにね、あのゲーム、よくも悪くもやり過ぎちゃうからね。エロス表現をやり過ぎたとか過ぎないとかで、なんやかんやで2007年ですよ。ほんと待たせ過ぎです。でもいいです。出てくれさえすれば。実際に発売するまでは心配ですけどね。
 確か、2005年秋に発売する予定だったのは知ってたから、僕の中でも、それに合わせてテンション上げてたんですよ。うわーっとね。で、うわーっと上げた結果、発売が、まるで砂漠で彷徨った末に見た幻影のオアシスのように、近づいたと思ったらぴょーんと消える始末。もう、僕の中で上げに上げたテンションの収まりがつかないから、「龍が如く」買っちゃいましたよ。いや、「龍が如く」も面白かったですけどね。アレも、とてもいい作品。でも、僕がほんとにやりたかったのはグランド・セフト・オートなの。サン・アンドレアスなの!
 ま、僕もう20代なんで、年齢制限で買えないなんて心配はありませんけどね。十八歳未満の、生真面目だけどグランド・セフト・オートが好きな子たちは、もう悔しくて家でのたうち回っているんでしょうなあ。十八歳未満でも、買う奴は買うんでしょうけど。
 いや、ま、あれはよくも悪くも自由度の高さが半端ないゲームですから、十八歳未満禁止にするのも、仕方なしだと思いますけどね。うん。僕が父親だったとして、高校生の息子が、がははがははと笑いながら、グランド・セフト・オートで、盗んだバイクで走り出して、人をばんばんひき殺してたら嫌ですもん、やっぱ。たとえ尾崎豊の「15の夜」を口ずさんでても、その息子と尾崎豊の曲への思い入れを語り合おうとは思いませんもん。「そこへ座れ」から始めて、説教しますよ、僕はやっぱ。息子いませんけど。大体からして、嫁もいませんけど。
 でもね、ほんとグランド・セフト・オートは面白いですよ。あれだけ自由度が高いと、想像力かき立てられますもん。別にね、他の人にゃ分からなくてもいいんですけどね、自分なりの遊びを〝開発〟できるゲームですもん、アレ。グランド・セフト・オートで、自分だけのルール作って遊んでる人の、〝ルール〟とか〝遊び〟とか集めたら、面白そうですけどねー。
 もうさ、砂場の砂や、積木を使って、誰かが作った城を、壊す〝遊び〟とかあったじゃない。誰にでも、幼かった時分には(壊される方にとっちゃ、たまったもんじゃないでしょうけども)。グランド・セフト・オートは、その最たるものなんじゃねえかと、僕は思うわけですよ。だから何って? いやあ、何でしょうね。
 でも、現実の砂や積木でできた城とは違って、「やめろよー」「なんだよー」って、作った奴とのマジ喧嘩はないわけです。近所の大人や幼稚園の先生とかに怒られることもないんですよ。ブレーキがないんですな。だからやっぱ、ありゃ大人のゲームなんでしょうねえ。大人っつったら、なんか言い過ぎな気もしますけど。年と共に、ある程度、感受性のコントロールがきく人って言ったら伝わりますかね。要するに、若くて感受性が強いと、やっぱ悪影響を受けちゃうんじゃねえかって心配しちゃうんだろうなーって。
 うん。なんか、言ってて自分でも分かんなくなってきたよ。とにかくね、僕ぁグランド・セフト・オートが、発売さえしてくれりゃあ、文句はないですよ。あと、今後、事件(殺人とか)を起こした少年がグランド・セフト・オートを持ってて、これ以上、グランド・セフト・オートが、社会的に肩身の狭いゲームになりませんように。それだけ祈ってます。あと、世界が平和になりますように。

知ってる? あの子、あの若さで架け橋なんだから

 BOAですよ、BOA。いやね、前々からすごいすごいとは思ってたんですけどね。だってあの子、韓国でデビューしたの13歳だって? ははは、笑っちゃいますな。13て。僕なんかまだまだ、鼻水ずるずる垂らしてた時期ですわ。BOAが、たくさんの人の前で歌うことを覚えた時期に、僕が覚えたことっつったら、オ○ニーの仕方くらいですよ。最低ですよ。ハイ、最低ですよ。でも僕、普通の男の子だもん。それくらいでしょ、13歳の普通の男の子が覚えることっつったら。なんですか? セックス? お前、そりゃちょっと早過ぎるでしょ。反則でしょ。フライングでしょ。
 ちょっと前くらいまではね、全然、僕のストライクゾーンじゃなかったんだよね。だって、BOAったら全然童顔だから。童顔つっても、実際にまだ幼かったんですけど。友達に、デビューしたての頃からBOAのことが好きな奴がいて、DVDを見せてもらったりしましたけど、まだまだね、僕がバットを振るところには、BOAはいなかったんですよね(この〝バット〟を普通のバットと捉えるか、下ネタと捉えるかは、あなたの自由です)。なんか、「え、今のウエストボールでしょ? 振るわけないじゃん」みたいな。なんか、その時期のBOAのこと好きとか言ってたら、確実にロリコン扱い受けるんじゃねえかと。そんな感じだったんですよ。
 でもね、この前二十歳になったらしいですが、デビューから今まで、ほとんど十代ですからね。本当なら、親馬鹿パパがホームビデオで撮った映像でしか見られないところを、まー本格的なプロモーションビデオで、BOAの成長の軌跡見れちゃうからね。ほんとね、「BEST OF SOUL」についてたDVDを見る機会あったら、見てみてくださいよ。一曲ごとに、BOAの顔つきとか変わってるから。まじで。
 それでね、ほんと最近ですよ。あいつってば、急激に僕好みの顔つきになってきちゃってまあ。なんかちょいきつめの目つきになっちゃったりなんかして。僕、好きなんです。細い目とか、釣り上がった目尻とか。なんかそういうの。もちろん外見で中身まで分かるはずないんだけど、なんか性格きつそうな感じの。Sっ気を感じる感じの。だってほら、僕ちょいMだから。
 で、普通に好きになり出して、普通に「こいつすげえ」と思ったのが、映画「森のリトル・ギャング」で声優として出演したことですね。いやね、著名な方々が、普通に声優として出るのは、全然普通のことですよ。まあ、それでも普通に「すごい」んですが、だってBOAはね。韓国出身だからね。当たり前っちゃ当たり前のことなのかもしれないけど、韓国版の吹き替えでも、声優やっちゃってんだろ? それがすごいと思って。二ヶ国語の吹き替えやるて。そういうことをやれて、かつオファーが来る人なんて、そりゃもうほんとに、世界中で数えるほどしかいないんじゃね? とか思ったら、やっぱBOAのすごさを感じますよね。っつか、ほんとあの子頑張ってるね。情熱大陸とか見て感動しちゃいましたわ。
 情熱大陸のインタビュー(?)の中で、BOAが「だって、泣いても何も変わらなくないですか?」みたいなこと言ってるんですけど、なんか言い方がすごい普通で。飾った感じがしなかったんです。この言葉、多分、誰かに教えてもらったとかじゃなくて、彼女が自分自身の経験の中で本当に得たものなんだろうなって思ったら、びびりますよね。だって二十歳だよ。二十歳って言ったら、お前。僕が成人式で、ふざけて金髪に青いシャツで「にせホスト〜」なんつって、はしゃいでた頃ですよ。そう考えたらね、ほんとね、泣いても何も変わらないのかもしれないけど、涙が出てきますよね。ぼあ〜っとね。
 お後がよろしいのかよろしくないのかどうかは、各自の判断にお任せいたします。

同じ涙がキラリ☆とは言うけどね

 そうは言っても、スピッツが歌う「涙がキラリ☆」を批判するつもりではないですよ。みなさん、気をつけて! 最初肝心だからね。第一印象がね。誤解を招いちゃ困るから、誤解を。そうじゃないからね。僕スピッツは、全然好きな部類だからね。あいつはよくやってるよ。草野マサムネは。
 火曜日の午後九時から放送している「役者魂!」。僕ね、アレちょっと好きなんですよ。なんて言うんでございましょ。味がね。なかなか、他のドラマでは出せないんじゃねえかっつう味がある気がしてならないのです。もう、ドラマや映画なんて、それはそれは深い歴史がある中で発展してきて、最近は人に感動を与える脚本が、徐々にマニュアル化されてきてんじゃねえの? なんて偉そうに思ってる僕なんですが、「役者魂!」はちと違うんじゃねえかと。きちんとドラマとして見れる面白さのある筋を考えた上で、微妙に王道からは意識的にズラした感じがして、僕はならないのです。それが、ちょっといい。なんかうまく言えませんけどね。所詮、僕は素人ですからね。専門的なこと言われちゃかないませんよ。異議あり、裁判長! 被告は故意に答えを誘導しようとしていますとかなんとか。
 脚本は誰が書いてるのかしらん、とチェキしてみれば、君塚良一さんですしね。「踊る大捜査線」の君塚さんっすよ。仕事の仕方が渋いですね、なんか。やっぱさ、業界だと「踊る〜」がウケたから、君塚君、またあの感じで頼むよとか、暗に言われたりすんでしょ? 言わなくても、そういう雰囲気作られたりとか。まあ「踊るレジェンド」っつうのが、そういうノリで作られたのかも分かりませんけれども。で、もしも、そういうことを既に言われないくらいお偉い立場にいらっしゃるのならば、それはそれで凄いことだし、言われてるのに、「役者魂!」みたいな「踊る〜」風味の欠片もない脚本を書いてるのなら、それまた凄いことですよね。
 って、なんか長いよ。振り返ってみると。これ前置きじゃね?
 まあ、ドラマや映画が人並み×1.4倍(当社比)くらい好きな僕。最近、なんだか「感動モノ」が目につくんですよ。観客を泣かせよう泣かせようとするような感じがするんですよ。そこは僕は、昔取ったきねづかとかなんとかで(何で取ったかは企業秘密です)狂犬よろしく、ファイティング・ポーズですよ。両手を眼前に掲げて、亀田興殻ばりにすり足でにじりよるような……かどうかは分かりませんけれども。「そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぞコノヤロウ」的なね。対涙腺刺激用決戦兵器の存在を感じ取ると、レーダーが反応してしまうわけですよ。「父さん妖気を感じるよ!」みたいなね。 なんか主人公がガンに侵されたとかね、そういう設定をさ。ほら、主人公もしくはその恋人が泣いてるよ! みんな、泣くところだよ! なんてね。なんかよう、もっとあるだろう泣かせ方がようって話ですよ。っつかさ、お持ち帰りありきの合コンじゃねえんだから。みたいなね。当人、合コンらしい合コン行ったことありませんけどね。そうなっちまうわけです。お前、ガンにかかりゃいいってもんじゃねえぞってね。まあ、そこはあちらさんも分かってるらしく、あの手この手と色々な病気エトセトラを持ってきますけど。しかもノンフィクションだったりするんで、頭ごなしに「なめんな!」とも言えない感じですね。どちらかと言うと、伊藤の方がなめてるんじゃね? みたいな感じになるからね。なんでその辺に関しては黙秘権を行使します! チーン。
 そんな中で、昨夜の「役者魂!」(11月21日放送)で見た、松たか子の涙が、すげえよかったんです。自然。自然さがもたらすリアルな感じ。ドラマだと分かっていても、感じてしまう現実感。あのときだけ、松たか子扮する烏山瞳美(からすやま ひとみ)が、ブラウン管を越えた気がしたのです。今もテレビの中身はブラウン管なのかは知りませんけど。平面ブラウン管か? なんだ? 欧米か! なんつってみたりしてね。冗談はそれくらいにして、松たか子の涙を見て、僕は「あ、いい」って素で呟いちゃったんですよ。ああいう涙を流すシーンは、今までなかったなあ、なんてね。こらえてこらえて、それでもこらえきれなかったものが、出てきちゃいましたみたいな、涙。あのときの烏山瞳美の心の声を、真に勝手ながら解釈させていただくと、「アレ? あたし、なんで泣いてるんだろ?」みたいなね。まあ、状況をこと細かく描写したところで伝えるのは難しいでしょうから、この辺にしておきますけど。って、長らく書き連ねて、言いたいことはそんだけかよ! って言われたら、そんだけだよ! と開き直る他ないね。
また、同じような場面を「伊藤、お前はこういうのが好きなんだろう?」っつって並べられたら、それまた亀田興殻ばりのファイティング・ポーズになりますけどね。シャーオラーってね。